共和化工グループは、水処理事業、資源リサイクル事業、循環型農業事業の3つの事業を主軸として取り組んでいます。
資源リサイクル事業では「堆肥化」を手掛けていますが、そもそも堆肥とはどういうもので、どういった効果があるものなのか、ご紹介いたします。
堆肥とは稲わらや落ち葉、家畜ふん尿、食品残渣などの有機物を、微生物の力を使って分解させ、成分的に安定化するまで腐熟させたものをいいます。水田や畑に施用された堆肥は、土の中に存在する土壌微生物や作物の根から放出されるクエン酸などの有機酸によって分解・溶解され、作物の根から養分として吸収されます。
堆肥はすべてが分解されるわけではありません。微生物や有機酸が分解しきれなかった部分が、腐植として土の中に残ります。しかし腐植は水分や肥料成分を保持するなど、土壌の物理性を良好にする働きがあると考えられているほか、作物の成長に良い効果をもたらすと考えられています。腐植の働きについてはまだまだ不明な点が多く、今なお研究が進められている分野でもあります。
ひと口に堆肥といってもいくつかの種類があり、作り方で成分が、使い方で効果が異なります。育てる植物の種類や土壌に合わせて使い分けることが大切です。
また、堆肥は有機物を原料とするため肥料成分が常に安定していないので、肥料の品質の確保等に関する法律(旧:肥料取締法)上、「普通肥料」ではなく「特殊肥料」に分類されています。
堆肥は様々な有機物を原料としますが、大きく分けて2つのグループに分けることが出来ます。
●植物性堆肥
わら堆肥・バーク堆肥などで、肥料成分が少ないかわりに、炭素を多く含む堆肥です。土壌改良効果が高く、土全体の通気性や保水性がよくなることで、柔らかく植物が育ちやすい土壌ができあがります。
●動物性堆肥
牛や、豚などの家畜のふん尿を堆肥化させており、植物性堆肥に比べ、リン酸、カリウム、窒素といった栄養分を多く含む堆肥です。土壌改良効果もありますが肥料のようにも使われます。家畜の種類によって、その効果や持続性もそれぞれで差があります。
[牛ふん堆肥]
炭素を多く含んでいるため土壌改良効果があるが、肥料成分は豚ぷん堆肥・鶏ふん堆肥より低く、緩やかに長く効く。
[豚ぷん堆肥]
牛ふん堆肥と鶏ふん堆肥の間くらいの肥料成分含有量
[鶏ふん堆肥]
家畜ふん堆肥では、一番肥料成分含有量が高く化学肥料に近い。タンパク質が多いため土壌改良効果はほとんどない。
といったものです。
土壌改良を目的にしているのなら植物由来の堆肥、肥料効果を目的としているのなら動物由来の堆肥が指標となります。しかし、上記の特徴はあくまで一般的なものであり、堆肥化の使用する原料以外の副資材(おが粉や、もみ殻など)や堆肥化方法などによって成分は大きく変わります。堆肥の袋に記されている肥料成分を参考にするのが一番です。
堆肥を使わずに、化学肥料のみを土壌に施肥し続けると、土壌がどうなるか知っていますか?
答えは「固く」なります。土壌が固くなると、植物の根が十分に伸びることができず、水はけが悪くなります。また土壌中に十分な酸素が行き届かず植物の根が窒息状態になるだけでなく、微生物の働きも悪くなります。そのため、固くなった土壌は植物の生育に向かないのです。
堆肥の効果は、土壌改良効果・肥料効果の2つです。土壌改良効果は、水分保持能力の向上・肥料成分保持能力の向上があげられます。堆肥を施用することで土壌中に隙間をつくり、ふかふかなやわらかい土にすることができます。またその隙間に水分や肥料成分が保持されることで、植物は育つことができます。
肥料効果は堆肥に含まれている肥料成分が植物の根から吸収されることで、発揮されます。家畜ふんから製造された堆肥は、比較的高い肥料成分が含まれています。しかし化学肥料と比べると、肥料効果は劣ります。そのため堆肥は化学肥料と併用することが望ましいです。
一般的な堆肥化も原料を積み上げて微生物の力で発酵を行いますが、発酵温度は60℃ほどまでしか上がりません。そのため、安定した堆肥が完成するまでに半年ほど掛かります。
しかし、当社の堆肥化技術は、技術提携先である株式会社山有の「山有式堆肥化プラント」のシステムを活用しており、高温度域で活動する微生物を用いた発酵を行い、80℃以上の高温下で堆肥化が進みます。
その結果45日程度で安定した堆肥が完成するとともに、原料由来の雑草種子・病原性微生物等が死滅しており、安全性の高い堆肥ができるのです。また、好気性発酵を行い有機物の分解が進んでいるため、においが少ない堆肥となっているのも特徴の一つです!
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