


当社は、このたび経済産業省の「令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 非ASEAN加盟国:二次公募)」に採択され、ブラジル連邦共和国(以下、「ブラジル」)パラナ州において、密閉型堆肥化装置を活用した下水汚泥の循環利用モデル構築に向けた実証事業を開始することをお知らせいたします。
本事業は、グローバルサウス諸国における社会課題の解決に向け、日本企業の技術を活用した実証事業を支援することを目的として、経済産業省が実施する補助事業です。
【事業概要】
現在ブラジルでは、下水汚泥の多くを埋め立て処分に依存しており、処分場の逼迫や周辺環境への影響が深刻な社会・環境課題となっています。
本事業では、当社が長年国内で培ってきた「超高温好気性発酵技術」を用いた密閉型堆肥化装置を活用します。これにより、下水汚泥を高品質な肥料として再資源化し、持続可能な循環型モデルの構築に向けた実証を行います。
●実施場所:ブラジル連邦共和国 パラナ州
●実証規模:日量約2~5トンの脱水された下水汚泥
●主な実証内容:
・技術有効性の検証
・肥料基準適合性の検証
・事業性に関する基礎データの取得および評価
■ 類似事業との相違点
1. フィリピン国における密閉型堆肥化装置の導入検討事業
フィリピン国では、有機性廃棄物の適正処理に向け、装置のニーズ調査や販売計画の策定を実施しました。その過程で、廃棄物発生量と装置能力のミスマッチや、自治体の予算確保といった市場特有の具体的課題を特定しました 。本ブラジル事業では、これらの知見に基づき、現地の規模や予算に最適化した導入モデルを構築していきます。
2. ブラジル国・パラナ州における堆積槽型堆肥化実証試験
当社は既に、「超高温好気性発酵技術」を用いた堆積槽型方式(大規模向け)の実証を行い、肥料品質がブラジル現地の厳しい基準を満たすことを確認済みです。一方で、ブラジル国内の下水処理場は規模や立地条件が多岐にわたります。今後の本格展開を見据え、大規模施設向けの堆積槽型に加え、都市部や中小規模施設にも柔軟に導入可能な「密閉型堆肥化装置」をラインナップに加えることが、市場全体の課題解決に極めて有効です。本事業は、その戦略の一環として密閉型装置の適合性を実証し、あらゆる施設規模に対応できる資源循環モデルの確立を目指すものです。
■政府支援の必要性
本事業では、ブラジル現地への堆肥化装置の導入や運用体制の構築、実証に係る費用として、総額約20.55億円(補助対象経費:約19.5億円、補助金額:約13億円)の投資を計画しています。海外における大規模な汚泥資源化の実証は事例が極めて限定的であり、事業性評価に必要なデータの蓄積には、多額の初期投資と高度なリスク管理を伴います 。そのため、日本政府(経済産業省)による本補助事業を活用し、官民が連携してリスクを分担することで、現地での実証データの取得と詳細な事業性評価を可能にします。本支援により、将来的な商業化に向けた強固な基盤構築を図るとともに、日本の環境技術のグローバル展開を加速させます。
■事業の意義・社会的効果
本事業を通じて、密閉型堆肥化装置を活用した「下水汚泥の再資源化モデル」の有効性を検証し、ブラジルにおける環境負荷低減および資源循環の推進に寄与することが期待されます。
また、日本政府が推進する「グローバルサウスとの共創」の取組に資するとともに、将来的には国内における装置製造の活性化や技術支援体制の強化、人材育成など、日本国内への波及効果が見込まれます。